直雇用パートと派遣パート、何が違う?思う程“楽”ではないパート働きのリアル

「パートだから気楽でいいよね」「責任がないから楽そう」──そんなふうに語られることが少なくありません。
しかし、実際に直雇用のパートや派遣のパートとして働いてみると、そのイメージとは大きく違う現実があります。

直雇用パートは時給が安く、契約外の仕事を押し付けられても泣き寝入りするケースが多いのが実態です。
人事担当者が嫌な相手でも直接面談しなければならず、吐き出し口がなくなることもあります。

“パート”というだけで「条件が楽そう」と思われがちですが、人手不足の現場で採用されることが多いため、実際には休憩もまともに取れないほど仕事を押し付けられることも少なくありません。

パートという働き方は、直雇用でも派遣でも「楽で責任がない仕事」では決してないのです。
本記事では、直雇用パートと派遣パートの違いを整理しながら、「パート働きのリアル」について具体的にお伝えします。

直雇用パートの現実

直雇用パートと聞くと「安定している」「気軽に働ける」といったイメージを持たれることが少なくありません。
けれども、実際に働いてみると、その印象とは違う現実が見えてきます。

まず大きな課題は、契約外の仕事を押し付けられる可能性もあることです。
本来の契約内容にない業務を「ちょっとこれもお願い」と頼まれるのは日常茶飯事。
人手不足の現場では特に顕著で、「パートだから断りにくい」と感じて泣き寝入りしてしまう人も少なくありません。

また、職場の人間関係が働きやすさに直結するのも直雇用パートの特徴です。
パート先には、その地域に住む人たちが多いです。
派遣のように契約期間がないので、長く働く人が長となり、仕切っている場合が多いにあります。
すでに出来上がった人間関係の中に入り込むのは、想像していたよりキツイようで、その愚痴がSNSにも投稿されているのを目にします。

ベテラン組には暗黙の了解なるルールがあり、それを乱してしまったら嫌われ、肩身が狭くなる可能性もあります。
すぐに辞めたいものの、同じ地域に住む人が多いため、「どこかで逢ってしまうのではないか」といった不安も付きません。

もし苦手な社員が人事や上司だった場合でも避けようがなく、その相手と直接面談をしなければならないこともあります。
派遣のように間に相談できる窓口がないため、行き場のないストレスを抱え込みやすいのです。

さらに、時給が低めに設定されているケースが多いのも現実です。
長年同じ職場で勤めても昇給がわずか、あるいはほとんどないという職場も珍しくありません。

結果として「仕事内容に対して割に合わない」と感じることが多く、やりがいよりも不満が積み重なってしまうこともあります。
直雇用パートは「安定しているから安心」と思われがちですが、実際には業務範囲の曖昧さ・人間関係の密着度・低賃金といった現実に直面しやすい働き方なのです。

派遣パートの現実

一方で「派遣パート」と聞くと、「条件を選べるから楽そう」「責任が軽い」と思われることもあります。
ですが、実際に働いてみるとこちらも決して“楽”ではありません。

派遣パートとして採用される背景には、人手不足の補充要員 という事情があります。
つまり、職場が忙しいからこそ派遣を受け入れている場合が多いのです。
そのため、入社直後から膨大な業務量をこなすことを求められることも珍しくありません。

また、時短勤務を選んだ場合でも「限られた時間の中で成果を出してほしい」と期待されるため、休憩をゆっくり取る余裕がないほど仕事を詰め込まれる ケースもあります。
ときには、出勤日を見越して「この作業は派遣さんにやってもらおう」と、仕事を残されていることすらあります。

さらに、派遣であっても「パートだから責任は軽い」という考え方は誤解です。
与えられた業務に対しては正社員と同じように成果を求められるのが実態で、決して「責任なし」ではありません。

ただし、直雇用パートとの大きな違いは、派遣会社という相談窓口があること、そして契約期間が明確に決まっていることです。
職場で不満やトラブルがあれば、直接上司に訴えるのではなく、派遣会社に相談して間に入ってもらえます。
また「契約は3か月まで」「ここまで働けば終わり」と区切りがあることで、精神的に追い詰められずに済むのも安心材料のひとつです。

派遣パートも直雇用パートも「人手不足だからこそ必要とされている」という現場事情は共通しています。
けれども派遣の場合は、少なくとも雇用契約の管理者が別にいること、そして契約期間の区切りがあることが、泣き寝入りしづらい働き方につながるのです。

「パート=責任がない」という誤解

「パートだから責任はない」「派遣パートなら気軽に働ける」──そんな声を耳にすることがあります。
けれども、これは大きな誤解です。

どんな働き方であっても、仕事を任される以上は責任が伴います。
たとえパート勤務であっても、自分が担当する業務をきちんとこなさなければ職場全体の仕事が滞ります。
お金をもらって働く以上、「責任がない仕事」など存在しないのです。

むしろパートの場合、正社員よりも人員が少ないポジションを任されることが多く、「この人がいないと回らない」という状況に陥ることさえあります。時短勤務であっても、短い時間で成果を出すことを期待されるため、プレッシャーは軽くありません。

また、パートだから責任がないと考えるのは、働く側にとってもリスクがあります。
責任を持たない姿勢で仕事をしてしまうと、「やる気がない」「戦力にならない」と見なされ、契約を更新してもらえない可能性もあるからです。

つまり、パートも派遣も「責任がない働き方」ではなく、責任の形が異なるだけなのです。
正社員のように部署異動や長期的なキャリアを背負う責任はなくても、日々の業務をきちんと果たす責任は必ず求められます。

「パート=責任なし」というイメージに縛られてしまうと、働く意欲を損ない、結果的に自分の働きやすさまで失ってしまいます。
大切なのは、どの立場であっても「自分の役割を果たす」という前向きな意識を持つことです。

直雇用パートと派遣パートの違いまとめ

直雇用パートと派遣パートは、どちらも「パート」という呼び方をされますが、仕組みや働き方にははっきりとした違いがあります。

まず、雇用主が誰か が大きな違いです。
直雇用パートは働く会社と直接雇用契約を結び、給与もその会社から支払われます。
一方で派遣パートは派遣会社と雇用契約を結び、給与も派遣会社から支払われます。
相談窓口や福利厚生の有無は、この違いに大きく関わってきます。

次に、契約期間の考え方 です。直雇用パートは長期前提で採用されることが多いものの、実際には契約更新や突然の終了もあります。
対して派遣パートは、最初から「3か月ごと」「半年ごと」といった契約期間が明確に区切られており、ゴールが見えているからこそ精神的に楽に働けるというメリットがあります。

さらに、福利厚生やサポート体制 にも違いがあります。直雇用パートは会社の規模によって差が大きく、社会保険や有給休暇が整っていないこともあります。
派遣パートは派遣会社の規定に従うため、社会保険や有給休暇の仕組みが一律に用意されているケースが多いのが特徴です。

もちろん、どちらにもメリット・デメリットはあります。
直雇用パートは「同じ職場で長く働ける安心感」があり、派遣パートは「契約や仕事内容が明確で柔軟性がある」という利点があります。

大切なのは、派遣か直雇用かを上下で比較することではありません。
自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことこそ、長く続けるための鍵なのです。

パートは直雇用であっても派遣であっても、決して「楽で責任がない働き方」ではありません。
どちらにも現実的な課題と特徴があり、その中で自分に合った形を選ぶことが大切です。

家事や育児と両立しながら働くママにとって、理想的な答えはひとつではありません。
周囲のイメージや世間の価値観に振り回されず、「自分にとって続けやすいかどうか」 を基準に、働き方を選んでいきましょう。

TOMOKO

ブログ管理者

Webマーケティング歴15年。 「育休後アドバイザー」資格取得者として、ワーママのキャリア継続と家庭の両立を自身の経験と知識をもとにサポートしています。 子育てと仕事を両立してきた等身大の視点から、転職情報や働き方のヒントを発信中。 無理なく自分らしいキャリアを築くための現実的な選択肢を提案します。

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